今、転職市場は「売り手市場」だといわれている。テレビやインターネット上で求人サイトや転職エージェントの宣伝がたびたびあらわれ、いかにも給料が今より上がって、いい会社に転職できそうな気にさせられるだろう。しかし実際、転職活動は新卒とは違い、それぞれのキャリアがある程度形成されてしまっているため、個人差が非常に大きく難しい。では、“成功する転職活動”にはどのような共通点があるのだろうか。そこで前回に続き今回も、人材紹介会社社長として、これまで3000人以上の転職活動をサポートしてきた郡山史郎氏の新刊『転職の「やってはいけない」』(青春出版社)から、転職活動でやってしまいがちだが、うまくいかないポイントを解説する。
【やってはいけない(1)】求人サイトに3社以上登録する
実際に転職をするとなったとき、どのように仕事を見つければよいのか。転職者が仕事を見つけた方法(入職経路)は、ハローワークなどの公的なサービスが約29%、求人広告と民営職業紹介所を合わせた民間の人材サービス産業経路が約30%、縁故が23%。ハローワーク、人材サービス産業、縁故の「3大経路」のうち、ハローワークと人材サービス産業だけで6割近くになっている。
近年は転職市場の認知度が急速に高まり、インターネット上には無数の求人サイトが存在している。転職希望者はこれらのサイトに登録したうえで、掲載されている求人案件にアクセスし、自ら応募手続きや面接日時の相談をおこなう仕組みだ。