ロシアの巨大ヘリコプターが今夏、フィンランドとエストニアの間にある小島に着陸した。フィンランド湾にあるそのロシア領ゴーグラント島に新たなヘリ基地を建設するためだ。ロシアが北欧地域に軍事拠点を築く背景には、北大西洋条約機構(NATO)の間で衝突が起きた場合、ここが新たな前線になると想定されるためだ。ロシア、NATOは近年、同地域での軍事力を増強しており、冷戦終結以来、緊張度は最も高まっている。新たな拠点に装備された軍事力はそれほど大きくないものの、隣国への圧力を維持したいロシアのウラジーミル・プーチン大統領の戦略に沿ったものとみられている。ゴーグラント島にヘリパッド建設されたことで、エストニアとフィンランドの首都は数分の飛行圏内に入るほか、ロシア第2の都市、サンクトペテルブルク近辺の他国の軍事動向をつぶさに監視できる体制が整う。