米国の石油・天然ガス生産量は記録的水準に達したが、一部のシェール開発会社は生産量の縮小を計画している。
そうした動きが特に目立つのが米天然ガス大手だ。EQTコーポレーションやチェサピーク・エナジーをはじめとする数社が、7-9月期(第3四半期)決算発表で来年は生産を縮小する可能性を明らかにした。
しかし、石油に比重を置くシェール開発会社も支出抑制を表明し、成長は減速するとの見通しを示している。テキサス州とニューメキシコ州にまたがるシェール油田地帯のパーミアン盆地で活動するダイヤモンドバック・エナジー、キャロン・ペトロリアム、シマレックス・エナジーはいずれも先週、投資家に対し、来年の支出を現行レベルに据え置くことを検討していると述べた。
自主的な成長抑制は業界の新たな流れだ。その裏には、支出と生産を減らしつつ、コモディティー価格の上昇を待つ方が得策だとの計算がある。米国の石油生産の伸びは今年に入って既に鈍化しているが、来年は一段と減速する公算が大きい。一方、天然ガス会社は、価格を数年ぶりの低水準に押し下げている過剰な供給を削減しようとしている。