超加工食品の取り過ぎは心臓に悪い?
冷凍食品や缶詰のソース、ファストフードなどの「超加工食品」は忙しいときには便利だが、取り過ぎはやはり健康に良くないようだ。平均的な米国人の1日の摂取カロリーのうち約55%は超加工食品が占めており、その割合が高いほど心血管の健康度は低下するという研究結果を、米疾病対策センター(CDC)のZefeng Zhang氏らが米国心臓協会の年次集会(AHA 2019、11月16~18日、米フィラデルフィア)で発表した。
超加工食品とは、脂肪やでんぷん、マーガリンなどの硬化油、添加糖のほか、香味料や着色料、乳化剤などの添加物を加えた加工済みの食品を指す。「コンビニエンスフード」として販売されている食品の多くは超加工食品で、冷凍食品や瓶詰めのソース、ファストフードのほか、清涼飲料やスナック菓子、ホットドック、ハムなどの加工肉、チキンナゲットなどさまざまな食品が店頭に並んでいる。
超加工食品と心疾患リスクの関連を報告した研究はこれが初めてではない。「BMJ」5月号に掲載された別の研究では、10万人以上のフランス人を5年以上にわたり追跡した結果、超加工食品の摂取量が最も多い人では脳卒中や心疾患リスクが高まることが示された。Zhang氏らは今回、2011~2016年の米国国民健康栄養調査(NHANES)のデータを用い、20歳以上の男女1万3446人を対象に収集したデータを分析した。
参加者には、前日の食事内容に加えて、AHAが提唱する心疾患予防のための生活習慣因子「Life’s Simple 7」(血圧、脂質、血糖のコントロール、禁煙、健康的な食事、適正体重の維持、運動習慣)についても尋ねた。
その結果、1日の摂取カロリーの約70%を超加工食品から摂取していた群では、40%以下だった群に比べて心血管の健康が理想的である確率は約半分であることが分かった。また、1日の摂取カロリーに占める超加工食品の割合が5%増えるごとに、全体的な心血管の健康度は低下していた。