中国経済が抱える2つの深刻な構造問題、金融危機は回避できるか6%台の成長を続けていても、不安は拭えない。中国経済が抱える2つの構造問題とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

6%台の成長を続ける中国
政府の対策が景気を下支え

 中国経済は、米国との貿易摩擦が重石となる一方、政府による景気対策が下支えとなり、6%台の成長を続けている。米トランプ政権が合計3600億ドル規模の中国製品の関税率を引き上げたことから対米輸出が減少したほか、先行き不透明感の強まりなどから中国企業が設備投資を抑制している。

 一方で、中国政府は政策金利を引き下げ、2兆元(約31兆円)規模の企業向け減税と社会保障費負担軽減、地方債発行拡大によるインフラ投資促進などの景気対策を実施。こうした景気対策が、米国との貿易摩擦による景気下押し効果の一部を相殺している。

 アリババによる「独身の日」バーゲンセールをみても、中国経済はまだまだ勢いを保っていると思われる。11月11日午前0時に開始したバーゲンセールの取引額は、わずか1分半で100億元(約1560億円)を突破。1日の取引額は、前年比25.7%増の2684億元(約4兆1870億円、中国の年間消費額の0.7%)に達した。

 米国との貿易摩擦は続いているが、アップル、ナイキ、エスティローダー、オレイの米国4ブランドの取引額は、いずれも10億元を超え、根強い人気が浮き彫りになった。越境EC部門「天猫国際」では、日本の美容・健康機器メーカーのヤーマンが販売トップとなり、花王とムーニーもトップ10入りした。