景気の減速傾向は続くものの、底入れも見え始めた中国。復活を促す景気対策の本格化はあるか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

減速が続く中国景気
ただし足元では底入れの動きも

 10月18日に発表された中国の7-9月期の実質GDP成長率は、前年同期比+6.0%と前期から0.2%ポイント低下した。中国の経済成長率が実態をどこまで表しているかについて議論は残るものの、景気の減速傾向が続いていることは否定できない。

 こうしたなか、中国経済の先行きについて悲観的な見方が強まるのも理解できる。一方で、足元の中国の経済指標には底入れの動きもみられ、そこをみなければ、正確な景気判断はできないであろう。そこで以下では、中国景気の現状を整理し、その上で中国政府の政策スタンスについて考えたい。

中国経済は調整局面に
おける安定模索期

 中国経済は大局的にみれば、過剰設備・債務の調整局面における安定模索期にある。中国政府は昨年まで、過剰設備・過剰債務の調整に向けて投資抑制策を講じてきた。この結果、総与信と債務の急拡大に歯止めがかかった一方、地方政府や民間企業が資金難に陥り、インフラ投資の依存度が高い地方経済が冷え込んだ。

 加えて、米中貿易摩擦の激化が景気をさらに押し下げた。米トランプ政権が、中国製品の大半に対し関税率を引き上げたため、対象製品の輸出額はおおむね2割減少し、対米輸出総額も1割減少した。このマイナスの影響は、主に広東省や江蘇省、浙江省などの沿海地域でみられる。ただしこれらの地域では、インフラ投資の景気けん引力が小さく、かつサービス産業の拡大が目覚ましいため、景気はそこまで悪くない。

 このほか、米中貿易摩擦に起因した将来不安の強まりが、民間企業の設備投資や家計消費を押し下げた。製造業を中心に民間企業は、2016年ごろから情報化や製造工程自動化のための設備投資を拡大してきた。ところが前述のように、中国政府の投資抑制策によって地方経済が失速した。さらに米中貿易摩擦が激化し、対米輸出の下振れリスクが高まった。

 このため採算悪化を懸念した企業が、新規投資を慎重化させた。また将来不安が強まったため、高額品の消費を控える動きがみられる。この結果、腕時計やワインの輸入が減少した。さらに米中関係の悪化によって、中国の消費者は米国ブランドの車やスマートフォンを買い控えている。