2月にタイで行われたJリーグ アジアチャレンジ Photo:Pakawich Damrongkiattisak/gettyimages
モナコ公国の最大都市モンテカルロに来ている。
ここモナコでは、SPORTELという世界中のスポーツ団体・リーグ(ライツオーナー)、放送局・配信業者、周辺テクノロジー企業などが一堂に会する世界最大のコンベンションが毎年開催される。
世界78カ国から約1000社、3000人の業界のプロフェッショナルが集うこのコンベンションに私も毎年参加しているが、その参加者の顔触れやここでのディスカッションを通して、グローバルでのスポーツビジネスの最新トレンドを感じることができる。
旧来の代理店型ビジネスは淘汰
2~3年前までは多くの大手スポーツエージェンシー(代理店)が巨大なブースを出展し、数十人のスタッフが参加。夜には関係者やビジネスパートナーを招待するド派手なパーティーを連夜開催していた。2019年はそのような光景はもう見られず、多くのエージェンシーは出展社リストから姿を消し、参加者自体も大幅に減っている。
その半面、新たな参加者として目立つのはOTT(Over The Top)やストリーミングサービスの周辺技術・関連サービスを提供するようなテクノロジー系企業だ。これまでのように、権利元(リーグやスポーツ団体等のライツオーナー)から放映権を預かり(買って)、放送局に対して売ることで手数料や差益を得るといった、旧来型の代理店ビジネスモデルが淘汰されつつある表れであろう。インターネット、SNS、OTTなどの技術進化・発展により、権利所有者は代理店に頼らずとも直接消費者にコンテンツを届けることが容易になったことが大きい。スポーツコンテンツは、放送局だけのものではなくなり、そのプラットフォームは多様化している。