冷凍庫に残されたアイス

 同日は女児の母親が意見陳述。「被害者が1人の事件ではない。娘は車でひかれ、首を絞められ、ごみを捨てるようにされて電車にひかれた。何度も、何度も殺された」と涙ながらに訴えた。

 そして「娘の死を受け入れられず、線香を上げられない」と心境を語った。

 静かに語り続ける母親。事件の前日に女児がアイスクリームを食べ、少し残して「明日に取っておく」と冷凍庫に入れたことを明かした。

 そのアイスクリームは今も冷凍庫にあり「娘が2度と食べることができないと思うと悲しくなる」と言葉を詰まらせた。

「家族で『次の元号は何だろうね』と話したこともあったが、娘は平成しか生きられなかった。娘だけ取り残されたようでかわいそうでならない」と陳述すると、傍聴席からは嗚咽(おえつ)が漏れた。

「被告にふさわしいのは死刑しかない。裁判員には、前例にとらわれず判断してほしい」。極刑を求める母親の訴えに、小林被告は表情を変えることはなかった。

 山崎裁判長は被告人質問で「最低限の償いは真実を述べることではないか」と問い掛けた。そして「訂正したいことはありますか」と尋ねたが、小林被告は「ありません」とだけ、静かに述べた。

 11月22日の論告求刑公判。検察側は計画的な犯行で「性的欲望を優先し、被害者をものとしか見ていない」と断罪。さらに公判では保身のための弁解に終始し「反省の態度はなく、更生は困難」として極刑を求めた。

 小林被告は最終意見陳述で「人として正しい心を手に入れ、罪を償っていきたい」と述べたが、遺族がそんなことを望んでいるわけがないのは言うまでもない。

 わいせつ目的で連れ去るために小学2年生の女の子を車ではね、首を絞めて気絶させ、目的のわいせつ行為を遂げた後、さらに首を絞めて殺害。

 その遺体を線路に放置した犯行に「人として正しい心」と訴えられても、誰が納得できるだろうか…。

訂正 記事初出時、被害者について実名を掲載していましたが、被害者ご遺族のご意向に鑑み、匿名へと変更させていただきました。(2019年12月5日 13:26 ダイヤモンド編集部)