私が「猫はただのペットではない」と断言したい訳ステファン・ガルニエ(Stéphane Garnier)
1974年、フランス、リヨン市生まれ。レコーディング・エンジニアとして長く働いた後、現在は作家として小説、エッセー、ドキュメンタリーなどを手掛けている。愛猫ジギーとの暮らしを満喫し、その行動から日々得られた気づきをまとめた『猫はためらわずにノンと言う』(ダイヤモンド社)がフランスで20万部を超えるベストセラーとなり、世界28の言語に翻訳された。腕に抱いているのが愛猫のジギー。

 あなたは猫を飼っていると思っているかもしれないが、実は猫のほうであなたを飼い主として選んだのである。猫があなたに自らの扉を開いたのだ。

 すると、今まであなたがなじんでいた世界が、ちょっと違ったものになる。
 まずは世の中がデカルト風な四角四面で凝り固まったものではなくなる。
 そうしているうちに騒がしい世の中を猫と同じ目で見られるようになる。すべてがよりやわらかくなり、角が取れて、猫の隣に座っていると、静けさの中で世界が胎動するのを感じることができるようになるのだ。

 猫はただのペットではない。
 人生の伴侶であり、ついには単なる伴侶以上のもの、導師のような存在なのだと気づかされるのである。

分かち合うことのできる年月は
人生でいちばん輝いている。