2020年が始まりましたね。先日、この連載でご紹介した令和の始まりに、そして、2020年に手に入れたい「アニバーサリージュエリー」は、見ていただけましたか。これを見て、今年こそは一生もののパールを買ってみようと思ってくださった方もいるかもしれません。

パールは、慶弔時にも使える唯一のジュエリーでもあり、フォーマルな場で活躍してくれること間違いなし。ですが、日常使いをマスターすれば、さらにおしゃれに見せられます。そこで、今回はお手本となるイタリアマダムの素敵なネックレスのつけ方をご紹介します。

教えてくれるのは、ファッション業界の、おしゃれ上級者たちも憧れるジュエリーディレクター・スタイリストの伊藤美佐季さん。その美しいスタイリングと、本当に良いものを見抜くセンスは、「伊藤さんが選んだものが、次に流行るジュエリー」と言われるほど。

著書『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の中から、そんな伊藤さんの、長く使えるジュエリー選びと、おしゃれなつけ方のコツをご紹介していきます。

あえて、見えないように着けるネックレス

イタリアマダムの、<br />あえて見えないようにつけるネックレスPhoto by 成尾和見(SEPT)

私がイタリアにジュエリーの勉強をしに行っていた頃に出会った、素敵なマダムの、すばらしいジュエリーづかいをご紹介させてください。

その女性は、もう若くピチピチしたお肌の持ち主というわけではなく、それなりに日焼けをしたデコルテには、少しくすみも見られました。ですが、それを隠そうとするわけでもなく、シャツのボタンをいつも広めに開け、大きな口を開けて笑う、実に魅力的な方でした。そんな彼女が、これまた大きな身振り手振りで話す時、腕が動く度に、シャツの襟元からちらりちらりとパールのネックレスが見えるのです。

普通、ネックレスは洋服の上に「ほら見て!」という感じで着けるのに、彼女の場合は「見える人だけに見えればいい」という着け方。この高度なテクニックを、今なお鮮明に思い出します。

ネックレスは、襟の形とのバランスを考えなければならないので、効果的に着けるのがとても難しいアイテムだと『まさか似合ってないと思われてた?! ネックレスの正しい選び方とは』でお伝えしました。ですが、それを逆手にとって、彼女のようにあえて「積極的に見せない」という着け方もあるのです。

ドレッシーなシャツより、写真のようにカジュアルなワークシャツや、Gジャンなど、一見カジュアルなトップスの胸元から、ちらりとパールを覗かせたほうが、そのギャップでさらにかっこよく見えます。みなさんもぜひ、試してみてくださいね。

そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の中では、ほかにもたくさんの素敵なジュエリーの着け方をご紹介いています。また、初めてジュエリーや時計を買うという方におすすめのアイテムや、ブランド。おすすめのモデルなども、たくさんご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。

伊藤美佐季(いとう・みさき)
ジュエリーディレクター、スタイリスト。ジュエリーの広報機関のPRを経てイタリア・フィレンツェに遊学、帰国後スタイリストに。つける人の個性を活かす洗練されたスタイリングは、女性誌のほか多くの女優からも支持されている。ジュエリーブランドへのアドバイス、ジュエリーに関する講演などでも活躍。