15兆円の洋上風力バブル_05Photo:Stocktrek Images/gettyimages

洋上風力発電のノウハウを持たずに突っ込む者たちの後ろに、ノウハウを持った上で虎視眈々と日本での参画をうかがうプレーヤーがいる。特集「15兆円の洋上風力バブル」(全5回)の最終回では、洋上風力発電15兆円争奪戦の行方を大胆に予想する。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

海外ビッグディールの主役
三菱商事の腹の内

 11月25日、ビッグディールに世界のエネルギー業界が驚いた。その主役は日本の三菱商事と中部電力だった。

 両社が、オランダの大手電力会社エネコの買収に関する優先交渉権を獲得したのだ。石油メジャーの一角である英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルをも押しのけ、三菱商事が80%、中電が20%を出資する共同出資会社を設立し、エネコを約5000億円で買収するという内容で交渉が進められる。

 エネコは電力・ガスの小売り事業を行う会社だが、洋上風力発電をはじめ再生可能エネルギー事業も手掛ける。

 三菱商事にとっては、単なる大手電力会社の買収にとどまらず、洋上風力発電ビジネスに新たな1ピースを加えることとなる。