米国で最も盛り上がっている石油掘削地域(パーミアン盆地)では、シェール生産者が投資を削減し、景気が鈍化している。ホテルの客は減り、企業の採用や労働者の残業も減った。ホーマー・ダニエルズ氏が経営する油田機器会社のRKサプライは今年、水圧破砕法(フラッキング)に使われる管類、ボルト、バルブの需要が急増したため、年間売上高は予想を優に上回るとみられていた。ところが同氏は、顧客のプロジェクト延期を受けて8月には採用凍結を余儀なくされた。ダニエルズ氏は「それは皆の利益に影響を与えている」と話した。フラッキングは米国を世界トップの産油国に押し上げ、米経済を後押しした。同国が数十年ぶりに原油・石油製品の純輸出国に返り咲く一助にもなった。だが、この数年で急激に伸びた生産が勢いを失いつつある。シェール会社の多くは利益を上げるのに苦労しており、投資家を満足させるべく拡大よりも利益を重視しているからだ。
米シェール会社の投資削減、地域の景気に打撃
有料会員限定
あなたにおすすめ