なかには査定価格をやや下回るものもあるが、サンプル数の多さから言って、両手を狙うよりも成約までの日数を重視しながら高く売ることを意識していると考えられる。

 ただし、エリアは都心の物件に限られる。8000万円から2億円台くらいまでの高額物件では、1億円台前半が最も多い価格帯になる。この価格帯であれば、適正価格の誤差の幅も比較的大きいものだ。この価格帯での4%は実に500万円相当になるので、大きな手取り収入になる。

自宅は最大の利殖になる
試算価値を最大化せよ

 当連載で何度も述べているように、新築も中古もどの物件が割安であるかはわかる。実際、その情報を使って筆者は自宅を1年で売り、1戸2000万円以上の値上がり益を出し続けている。

 そして、所有した物件の値下がり率も「儲かる確率」を物件ごとに算出して判明している。物件に住み続けているだけで儲かるのだ。現在の超低金利であれば、元本返済は物件価格の2.5%/年のペースで進む。購入物件が年1%しか下がらないならば、毎年1.5%、10年で15%の含み益が出る計算になる。

 住宅ローンの返済は、含み益分が貯金になるのだ。8000万円の物件ならば、1200万円の差益で、仲介手数料を支払っても1000万円ほどの手取りになる。実際、「住まいサーフィン」会員の含み益の平均値は、相場の上昇も相まって2200万円となっている。

 最後に、売却で相場よりも4%高く売ってもらえれば、また300万円ほどのプラスが出る。自宅を買う際の資産性と価格の誤差幅を使った「安く買って高く売る方法」をうまく使えば、自宅で老後の資金不足2000万円を補うことは不可能ではないのだ。

 この売却手法で、自宅マンションでの資産形成は完結する。マンションの資産性を最大化するノウハウは知った者勝ちで、難しいことではない。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)