日本人が知る由もないアルメニアの「超IT先進国」ぶり
日本や中国と日常でほぼ接点がない旧ソ連の小国・アルメニア。しかしこの国、実はすごい実力を持っている Photo:123RF

中国とアルメニアに
接点はないように思えるが…

 人間と人間との出会いには、どうも点と線のようなものがある。たとえば、中国出身の私と旧ソ連から独立したアルメニアの間には、どう見ても接点がないように見える。私も接点はないと思っていた。しかし、偶然に起きた2つの出来事でその接点がにわかに見えてきた。

 今年の9月、西安市政府から同市の国際専門家に任命された。仰々しい肩書になるが、アドバイザーみたいな役だ。シルクロードのスタートポイントだった西安は、今や中国政府が推し進めている「一帯一路」(ニュー・シルクロード経済圏)の重要な拠点となっている。

 国際専門家として西安市政府が主催する会議は、シルクロード周辺の国々から多くの代表が出席することもあり、国際色豊かな雰囲気に包まれていた。そこで私は、遠い存在と思っていたこれらの国々に対して、これまで体験したことのないような高い関心を持つようになった。

 その1カ月後の11月上旬、1冊の本が私の手元に届いた。駐日アルメニア大使のグラント・ポゴシャン氏が2年前に執筆した『アルメニアを巡る25の物語 (駐日大使が語る遠くて近い国、古くて新しい国)』 だ。

 私と同じ年に、しかも同じ月にアルメニアに生まれたポゴシャン氏は、モスクワ大学で数学を専攻、ソ連科学アカデミーにて博士号(コンピュータ・サイエンス)取得後、研究・教育に従事した。1991年より国際基督教大学(ICU)教授、後に大学院長として、合計22年間、教鞭をとっていた。

 大使就任前は長年、アルメニア外務大臣の対日関連アドバイザーを務めていたが、2012年3月に同大学を退任した同氏は、2カ月後の5月にアルメニア共和国大統領命令により、駐日アルメニア共和国特命全権大使に任命された。