プレゼント、記念、自分へのご褒美に。特別な瞬間に手に入れたいジュエリー。高額だからこそ、失敗したくない! 自分らしく似合っていて、長く使えるものを選びたい。けれど、いったい何を、どこで買えばいいのかわからない……。そんなジュエリー初心者のために、選び方や、素敵に見える着け方のコツ伺いました。教えてくれるのは、ファッション業界の、おしゃれ上級者たちも憧れるジュエリーディレクター・スタイリスト、伊藤美佐季さん。その美しいスタイリングと、本当に良いものを見抜くセンスは、「伊藤さんが選んだものが、次に流行るジュエリー」と言われるほど。本連載では、著書『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』の中から、そんな伊藤さんのジュエリー論をご紹介していきます。

長く愛用できるのは、相性のいいジュエリー

Photo by 成尾和見

 ジュエリーは、肌に直接着けるもの。ジュエリーとジュエリーを着ける人々を長年見てきて実感しているのですが、同じジュエリーでも着ける人によって、少しずつ趣が変わっていくようなのです。

 自分も生きていて、肌も生きていて、そこにのせるものだからジュエリーも生命を持つ──長年着けているうちに、その人らしい世界観がジュエリーにも宿っていくのではないか、そんな風に感じています。

 何年も、何十年もずっと着けていられるものは、きっと「着けていて心地いい」「なんだか気分がいい」存在であるはず。つまり、ずっと着けていられるもの=自分と相性がいいということ。そして、長く使えるということは、自然と上質なものに限られます。

「自分と相性のいい上質なジュエリー」が見つかれば、ずっとずっと愛用できるのです。生涯にわたって、肌に密着して寄り添ってくれる……そんな存在は、ジュエリーでしかあり得ないのではないでしょうか。

 私の理想は、外して置いてあるジュエリーを見ただけで、「あ、これは〇〇さんのものね」とわかる、そんなジュエリーと人との関係。そんな女性になることが、今の目標です。

Photo by 成尾和見
このブシュロンのセルパンボエムのブレスレットが手元に届いたのは2011年3月11日。とても大きな運命を感じたことを今でも鮮明に覚えています。以前、ある占い師の方から「あなたの守り神はヘビよ」と言われていたことも関係しているかもしれませんが、その日からこのブレスレットをほぼ毎日、右の手首に着けています。着けるだけで何か大きな包容力を感じさせてくれる、まさに私のタリスマンジュエリーです。(伊藤美佐季さん私物)

 2019年も、残すところあと少しとなりました。この連載を通して、少しでもジュエリーに興味を持っていただけましたか。ジュエリーは、極論するとあってもなくてもいいものなのかもしれません。ですが、特別な時にだけ着けるものではなく、「自分らしくいられる」「毎日着けられる」日常使いのジュエリーは、私たちの人生に、奥行きをもたらしてくれるひとさじのスパイスであり、同時に、長く共に生きる伴侶のような存在でもあると思うのです。

 ジュエリーが好きな方も、まだジュエリーを買ったことがないという方にも、この連載と、そのもとになっている『そろそろ、ジュエリーが欲しいと思ったら』を通して、おしゃれであってこれ見よがしではない、自分の存在を効果的に引き立たせてくれる、「自分だけのジュエリー」を見つけていただければと思います。