「これまでの業績」ではなく
「これからの業績」を予測する

 株式投資で大切なのは、「これまでの業績」ではなく「これからの業績」です。

 これまでどれだけ業績がよかった会社でも、これから業績を伸ばせなければ株価は上がりません。

 逆にどれだけ業績が悪かった会社でも、これから業績を伸ばせば株価は上がります。

 これから業績が伸びるためには、前述したようにやはり「その会社が提供している商品・サービスの価値が高まる」ことが必須です。

 この点を探るための基本的な指標の1つにPER(株価収益率)があるとされています。

 このPERとは、会社を丸ごと買った場合、(いまの利益がキープできる前提で)何年でそのお金を全額回収できるかというモノサシです。

「PER10倍」なら投資したお金を全額回収するのに10年かかり、「PER50倍」なら50年かかるということです。
(上場企業の平均PERは15倍程度といわれています)

 多くの株関連の本には、PERが低ければ割安、高ければ割高と書かれており、「PER10倍以下なら安い」「PER20倍を超えると高い」といったふうに投資判断している投資家も多くいます。

 しかし、PERだけをモノサシに投資をしても勝てません!

 なぜならPERは、あくまでも「いまと同じ利益がずっと続いたら」という前提をもとに算出されるので、現実とかけ離れた架空の話だからです。

 変化の激しいこの時代に、いまと同じ利益がずっと続くなんて話はほとんどあり得ません。

 前提条件があり得ないのですから、PERだけでは説得力のあるモノサシにはならないのです。

 あえていうなら、目安にすべきなのは、いまのPERではなく“これからのPER”です。

 いまはPER10倍の会社でも、将来の利益が10分の1になってしまえば、未来のPER は100倍になってしまいます。

 逆にいまのPERが100倍でも、将来の利益が10倍になれば、未来のPERは10倍に好転します。

 このように「現在」のPERで判断するのではなく、いまの事業内容や商品・サービスが生み出す「未来」の利益を予測することが大切なのです。

 具体的にどうすればいいのかについては、のちほどお話しすることにします。

株式投資で儲けたければ「これまでの業績」ではなく「これからの業績」を予測しなさい

<次回へ続く>