そう考えると、現在考えられている取引透明化法案の内容はもっと見直すべきです。そもそも規制は最小限に止めるべきであり、日本のネット上が規制コストの高い場所になってしまっては、海外IT企業は日本での最先端のサービスの提供を後回しにして、結果的にユーザの便益が大きく損なわれることになってしまうのです。

BtoBの公正競争確保だけで
BtoCの視点が欠如

 加えて取引透明化法案で気になるのは、プラットフォーマーと出店企業の間というBtoBの取引の公正性だけを考えていることです。しかし、当たり前の話ですが、プラットフォーマーのビジネスには出店企業とのBtoB以外に、ユーザとのBtoCという側面があります。

 その両者を視野に入れた場合、たとえば前述の楽天の送料無料という方針に関する対応は、独禁法の観点から問題と断言してもよいものでしょうか。

 楽天のライバルのアマゾンは、プラットホーム上で自社が販売する商品については2000円以上が送料無料となっています。外部の企業が出店するマーケットプレイスについても、その企業がアマゾンの物流システムを使えば同様の扱いとなるので、結果的に、アマゾンでは多くの商品が送料無料となります。おそらくアマゾンは、アマゾンプライムの会費や商品を安く仕入れるのに加え、他の事業部門の利益を回すことで送料無料(=送料は自社負担)を実現しているのではないでしょうか。

 それに対して楽天では自社販売は少なく、出店企業が独自に送料を設定しているので、送料の統一性がなくわかりにくいし、やはりユーザの立場からすればアマゾンと比べて送料がかかるだけ結果的に合計金額は高くなる感じがします。