7人に1人が
確定拠出年金加入者

確定拠出年金の場合、株価が下がっても売るのはおすすめできません。
リーマンショックのように相場が大きく下げた時に売ってしまうことが、利回りをマイナスにする一番の要因だ Photo:PIXTA

 2017年に加入対象者が大幅に拡大したことがきっかけとなり、個人型確定拠出年金=iDeCoの加入者は既に125万人を超えた(2019年5月末現在)。iDeCoは個人型であるが、実際には企業型確定拠出年金の加入者は715万人(同時点)とはるかに多く、両方を合計すると840万人となる。

 民間企業の従業員数は約4800万人であるから、企業型だけでみても、ほぼ7人に1人は確定拠出年金の加入者ということになる。最近では、一部の大企業でも企業年金制度を全面的に確定拠出年金へ移行するところも出てきているため、恐らく今後もこの割合は増加の一途をたどるものと思われる。

 言うまでもなく、確定拠出年金は自分で自分の年金を運用するという制度である。特に企業型の場合、その拠出金の大半は会社が出すが、運用については完全に加入者である従業員に委ねられることになる。したがって、運用成績によって自分の老後をまかなうための資金の多寡が決まる。“運用”は極めて重要なのだ。

 もちろん運用自体、加入者個人が自己責任で行なうものであるから、どのように行なうかは個人の自由である。しかしながら過去17年間にわたって、確定拠出年金の加入者の運用を見てきた筆者は、加入者にとって「これだけはやってはいけない」というルールがあると考える。そんな守るべきたった一つのルールについてお話したいと思う。

 まず、実際に加入者は一体どれくらいの運用成績を上げているのであろうか?iDeCoについては加入者が大きく増えたのは一昨年からであるため、長期間にわたる運用実績のデータはないが、企業型については、さまざまな機関が調査データを発表している。そんなデータの一つである「確定拠出年金実態調査結果 (概要)」が、2019年2月に企業年金連合会から発表されているので、そのデータを見てみよう。

 この調査は2018年10月~11月にかけて企業年金連合会が、企業型を実施している2000件の企業に対して聞き取り調査を行ったもので、回答数710件(回答率35.5%)であるから、有意なデータといって良いだろう。

 これによると、加入者の平均通算利回りは年率にすると2.8%となっている。確定拠出年金がスタートしたのは2001年10月なので、まもなく18年目に入るわけだが、公的年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の年金積立金の運用利回りは同じ過去18年間で年利2.73%であるから、ほとんど同じぐらいということになる。確定拠出年金の加入者の多くは運用についてあまりよく知らない人が多いと思われるので、平均だけ見るとまずまずの成績ではないかと思えるが、もう少しその運用利回りの分布状況に注目してみたい。