法務省も23日、自動車運転処罰法が規定する構成要件について、割り込みで他者の車を停車させるような行為を危険運転に問えるよう、来年1月の法制審議会で諮問する方針を示した。

 現行法では危険運転に該当するかどうか争いがあるためだが、明文化した同法改正案を年明けの国会に提出する方向で調整している。

悪質ドライバーに包囲網

 前述の東名事件を受け18年1月、警察庁の栗生俊一長官は「極めて悪質な行為だ」として、あらゆる法令を駆使して取り締まり、摘発をするよう全国の警察本部に通達。

 後方から異常接近したなどとして、道交法の車間距離保持義務違反での摘発は17年の7133件から翌18年は1万3025件に急増。今年は10月末現在で、既に1万2377件に上る。

 18年7月には、大阪府警がドライブレコーダーに残されていた音声などから、あおり運転の末に乗用車をオートバイに追突させ、大学生を殺害したとして、中村精寛被告(41)を殺人罪で逮捕した。

 この事件では一審、二審とも殺意を認定してそれぞれ懲役16年を言い渡し、中村被告は上告している。しかし、この裁定が覆ることはないだろう。

 あおり運転をする悪質ドライバーに対する包囲網は、着々と進んでいる。

 東名あおり事件で犠牲となった萩山さんの母、文子さんは前述の控訴審判決を受けた記者会見で、こうも述べていた。

「早く、しっかりした法律を作ってほしい」

 犠牲になった方や遺族だけではなく、善良なドライバー、その家族、すべての方々の願いだろう。