4年前、人気復活の兆しに
水を差したラグビー協会の「失態」

 ところが、イングランドW杯直後のトップリーグ開幕試合パナソニック―サントリー戦で、ラグビー協会はその盛り上がりに水を差す失態を犯してしまう。一般向けチケットは完売していたのに会場の秩父宮ラグビー場のスタンドは空席が目立ったのだ。社会人スポーツは観客動員を、スポーツ部を持つ企業に頼る傾向がある。一般のファンだけでは満員にならないため、企業に一定数のチケットを割り当て、社員に自社の応援に来てもらおうというわけだ。これはラグビーも例外ではない。

 もちろんトップリーグに所属する企業の社員にもラグビー好きはいるし、W杯での日本の躍進を見たことがきっかけでスタジアムに足を運んだ人もいるだろう。だが、当然仕事の関係などで行けない人も数多くいて、結果空席が目立つことになってしまったのだ。

 この状況に失望したのが選手たちだ。W杯で日本は世界の強豪と対等に戦える実力があることを示し世間の関心も高まった。その直後のリーグ開幕戦。スタジアムは超満員になるだろうし、そこで自分たちがいいプレーを見せれば人気は定着するにちがいない、と気合を入れて試合に臨んだはずだ。

 ところがスタンドを見るとW杯前とさほど変わらない光景。一般向けチケットは完売しているのだから観戦をあきらめた人もいたはずで、「なぜこんなことになるのか」と思ったにちがいない。今W杯でも活躍したスクラムハーフの田中史朗などは試合後、「ラグビーが負けた日です」と苦言を呈したほどだ。

 開幕戦がこうでは熱気も冷めてしまう。W杯での躍進も世間はすぐに忘れ、トップリーグもそれまでと同様、一部のファンが見るものに収まった。4年前、ラグビー界は人気獲得のチャンスをみすみす逃してしまったのだ。

今回はチケット大幅増加で完売も!
日本以外の強豪国代表メンバーも見られる

 そんな苦い経験をしているだけあって、今回は協会も一般向けチケットを大幅に増やした。それでも秩父宮、熊谷の開幕戦をはじめ好カードは早々に完売し、他の試合も売れ行きは好調だという。