世界最大の自動車需要国、中国は2020年に5リットル/100km(20km/リットル)という目標だったが、これとは別に一定比率のBEV、PHEVおよびFCEV(燃料電池電気自動車)の3種類、いわゆるNEV(新エネルギー車)を販売するよう義務付けるという二重規制を適用している。これら地域ごとの規制はすべてCAFE(企業別平均燃費)であり、モデルごとの燃費かCO2排出量に販売台数を掛けた数字を合計し、正確に1台当たりの平均値を計算している。たとえばEU加盟23カ国の2018年データは全体平均が120.5g/kmだ。2007年以降は毎年着実に減少してきたが、2017年と18年は2年連続の増加だった。その理由としては「ディーゼル車が敬遠され、ガソリン車の販売が伸びた」という販売実績が挙げられている。

 EU加盟23カ国で販売された乗用車のCO2排出量(自動車メーカー別)が少ない順にランキングすると、トップはトヨタの99.9g/km、2位はプジョーの107.7g、3位はシトロエンの107.0g、4位はルノーの109.1g、5位は日産の110.6gと日仏勢が上位を占める。

 一方、販売台数に占めるBEV比率が10%を超えたのは2018年実績でノルウェーとオランダだ。この両国はBEV購入時の優遇が手厚い。とくにノルウェーの場合は25%の購入時付加価値税や道路税が免税となり、有料道路やフェリー料金も無料になる。こうした背景があって、BEVの販売比率が高い。「どれだけ優遇されるかでBEVの販売台数は決まる」とシンクタンクは分析している。その根拠は、中国で好調だったNEV販売が、2019年6月に補助金が大幅カットされたとたんに売れ行きが鈍った。一時期はすべてのシンクタンクと調査会社が「中国は電動車大国になる」と予想していたのだが……。

仏、英でエンジン車販売禁止の方針も
法的拘束力持たず

 規制という意味では、2017年秋にフランスのマクロン大統領が「2040年までにガソリン車とディーゼル車の新たな販売を禁止する」と発言し、大いに注目された。だが、その後、エンジン車販売禁止が法的拘束力を持つに至った例はまだない。フランスとイギリスでは政府案にはなっているが、国の方針として確定はしていない。

 ドイツは2016年10月にEU委員会に対し「EU域内でエンジン車の販売を禁止することを検討するよう求める」という決議を行った。ところが、自国内でエンジン車の販売を禁止する決定はしていない。