一度乗ると「ああタクシーは速いし楽で気持ちいいし、本当に最高」と体が堕落の味を覚えてしまって、そうなると引き返すのは容易ではない。“借金が趣味”と称して差し支えないDさん(38歳男性・独身)は、通勤の帰り道、途中下車してタクシーを拾うことすらあるそうである。それくらいタクシーの誘惑は甘美で強烈である。

 しかし堕落の欲求に翻弄(ほんろう)されるだけで終わらないのが、賢きアラフォーの面々である。“休日は絶対アンチ電車”だったBさんは電動アシスト付き自転車を導入して、休日のタクシーを封印することにしたそうである。「普段あまり体を動かさないので、ちょっとした運動になってちょうどいい」と語っている。

“タクシー帰り前提で終電逃すことアリ”のCさんは、

「終電後まで仕事をしたときは、始発を待たずにタクシーで帰っていた時期があった。今は終電に間に合うように仕事を調整するようにしている」

 と、タクシーに甘えない自分を保つ努力をしている。

続けてきた習慣を打破する
新たな習慣の導入

 長年続けている習慣は身にしみつき、もはやその人の一部分となっている。自分の一部を変えることは簡単でないが、節約・節制のために見直しを迫られることがある。アラフォーは健康と金銭の両面からこの機会が訪れやすい年齢に当たる。

 肥満の気があるEさん(43歳男性・既婚)は、食事と酒を見直すことにした。何しろ量を常に人より多く取っていた。

「特に飲み会なんですが、自分のおごりでも人のおごりでも割り勘でも、自分が一番たくさん食べて飲んでいないと気が済まなかった。もったいない気がして。貧乏根性ですね。

 でも、結局それで会計の総額が上がるし、自分は太るしであまりいいことはないかと思うようになりました」(Eさん)

 そのせいで、というだけではなかろうが、順当に発達している胃袋を持つEさんは普段の飲み食いも普通量では満足いかなかった。食費も体脂肪も増える。

 健康診断で警告を受け続けても意に介さなかったEさんだったが、何をするにも息切れするししんどい。このままではよくないのではないか、是正する必要があるのではないかと思い立って、食に関する生活を見直すことに決めたそうである。すると飲み会を中心に卑しさを発揮してきたEさんの内面にも変化が訪れた。