私は、数多くの中小企業からおカネの相談を受ける立場にありますが、会社におカネを残すためにも、中小企業の経営者、経営幹部の方に、これからご説明する「即時償却」をぜひとも実行していただきたいと考えています。

固定資産を全額償却できる
即時償却とは?

「即時償却」とは、固定資産(建物は除きます)を買ったときに、その全額を減価償却できるという制度です。

 通常、固定資産を買うと、長い時間をかけて減価償却をしていくことになります。空調なら15年、機械なら10年くらいです。

 長い時間かけて行う減価償却を、たった一瞬で全額できるのが即時償却です。500万円でも、5000万円でも、5億円でも、設備を買って使い始めた瞬間に、バサッと減価償却ができます。

 利益が出て、法人税の納税がそれなりに発生する会社は、即時償却を実行すると、納税が抑えられます。

 何も対策を行わないと、税引前利益のおよそ30%を法人税等で納めます。例えば、税引前利益が1億円の会社は、3000万円を払います。このとき、即時償却を1億円実行すれば、今期の法人税等は「ゼロ」になります。その分、会社におカネが残るのです。

 新工場を建設する、新店舗を開店させる、機械を買う、システムを導入するなど、この即時償却はあらゆる投資の場面で使える制度です。