応用力が問われる図形問題

 大問4には、思った以上にてこずった受験生が多かったのではないかと思われる。図形問題は問題自体の情報量が多くなくとも、その情報からさらに得ることができる情報をいかに使っていくか必要で、そういった意味でも、解いたことのある問題をどう知識として使いこなしていけるかという力の差が出る。3つの問いがある。

(1)三角形CDEと台形ABCDの面積の比を最も簡単な整数の比で答えなさい。
(2)DG:GFを最も簡単な整数の比で答えなさい。
(3)三角形CDGと三角形CEFの面積の比を最も簡単な整数の比で答えなさい。

(3)は(2)からの誘導になっているのだろうが、果たしてここまでたどり着く受験生が何割いたのかとも思える。

 大問5は「場合の数」。3つの問いがある。

(1)青、黄、黒、緑、赤の5色をすべて使って色をぬる方法は何通りありますか。
(2)青、黄、緑、赤の4色をすべて使って色をぬる方法は何通りありますか。
(3)緑は青と黄を混ぜた色と考えて、緑と青、緑と黄は線が重なる輪には色をぬれないものとします。このとき、青、黄、黒、緑、赤の5色をすべて使って色をぬる方法は何通りありますか。

 5つの輪の線を塗り分ける問題で、問いをよく読まずに取り掛かると、どう解いたらよいのか分からず悩んでしまった受験生も多かったのではなかろうか。

 いずれも一見すると、受験生にとっては見慣れている問題ではあるが、どれも問題条件をしっかり把握していろいろな視点を持って解いてほしいということが、栄東の学校としての姿勢でもあるのではないかと思われる。