カジノ資本は他国で制度を作る権限はない。動いたのは超党派の国会議員による国際観光産業振興議員連盟だった。

 通称「IR議連」といわれ、カジノをIRの中核に位置付け、外国から観光客を呼び込み、地域経済の起爆剤にするという。

 2010年4月に74人で発足し、今や200人を超える大勢力になっている。

 最高顧問に安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相らが就いた。その後、国会で追及されて辞任したが、議連は学者や商社、広告代理店などを呼んで勉強会を重ねカジノ推進法案をまとめ、2016年12月の国会で可決した。

 今回、「500ドットコム」から100万円前後のカネが流れたとされる5人は、同社がIR参入を目指していた沖縄と北海道の議員やIR議連の幹部だったが、注目すべきは、議連幹事長の岩屋毅議員の名前があがっていることだ。

 岩屋氏は、「500ドットコム」の3人の幹部とともに贈賄罪で起訴された北海道観光会社会長から200万円の「寄付」を受けた中村裕之議員(自民)から、そのうちの100万円の「寄付」を受けたとされる。「(中国企業から)金銭を受け取った事実はない」と会見で話したが、関係者の間で「カジノ資本と接点のあるキーマン」とされている。

 2018年7月「週刊文春」が、カジノ大手のシーザーズ・エンターテインメントのアドバイザーが作成したという「パーティー券購入リスト」を報じた。

 金額が突出していたのが岩屋議員で74万円だった。

 日本にカジノ案が浮上したのは1999年、お台場カジノ構想として石原慎太郎都知事が打ち上げたことが発端といわれるが、それ以前から米国のカジノ大手は政治家などに働きかかけていた、という。

「衆議院議員だった鳩山邦男さんが窓口だった時期があり、秘書をしていた岩屋さんがカジノに詳しくなり国会議員になってからは議連作りに汗をかいた」と、鳩山事務所の関係者はいう。

 カジノ資本の要望を一番よく知っている人が議連の幹事長を務めている、ということのようだ。

 報道によると、東京地検特捜部は秋元議員を贈収賄で起訴する方針だが、国会議員5人の立件は難しいと見ている、という。

 秋元議員にはIR担当副大臣として業者に便宜を図る「職務権限」があるが、岩屋議員を含め5人には職務権限がない。だから贈収賄にはならない、という理屈だ。

 だが、どうだろう。「カジノ市場開放」を決めたのは役所ではなく、政治家だった。2016年のカジノ推進法案は議員立法である。