そんな未曽有の事態に、不動産価格は暴落したかのように言われるが、マンションは違う。新築が2割、中古に至っては1割しか下がっていない。自宅マンションは暴落しないのである。

 暴落するためには、住宅ローンの金利が大きく上がり、審査が非常に厳しくなるような環境が必要になる。次に買う人は常に多額の住宅ローンを組むからである。しかし、住宅ローンは投資用不動産のローンとは違う。不動産の収益性ではなく、年収などの個人属性を見ているがゆえに、どんな環境下でも買いたい人には原則として貸す仕組みができ上がっている。

 このように常に住宅ローンがつくからこそ、自宅マンションは暴落しないのである。過去に暴落したのは一度しかない。それは1980年代のバブル経済崩壊のときで、収益性を無視して貸し込んだことが原因だった。

 当時、不動産は取引事例を比較してローンを貸していたので、「隣の価格が上がれば上がる」という天井なしの状態になっていた。こうした場合は、下がるときは底なしに下がる。それを食い止めたのが、不動産価格をその収益性で判断する収益還元法である。

 今はこの収益還元法が主流になったので、不動産バブルはもう二度と起きないようになっている(サブプライムローンは返済能力がない人に貸し込むバブルではあったが、日本では起きていない)。

売り手の事情もあり
中古は1割が下落幅の限界に

 また、マンションは都心の好立地に建つものであり、その稀少性は高い。戸建てのように、どこにでも建つようなものではない。マンションを購入する人は途中で引っ越すケースが多いが、建物の耐用年数が長いがゆえに資産価値の下落幅も小さく、価格を下げてでも売ろうとはしない。売却と住宅ローンの返済は同時に行うので、安くは売れないのである。だから頭金を1割とすると、購入直後は下げても1割しか下げられない事情がある。こうした売り手の事情もあり、中古は1割が下落幅の限界になる。