しかし、アジア通貨危機は、タイや韓国が震源地だったが、それらの国で景気が回復した後でも、日本は長く景気が低迷した。97年秋に金融危機があったことも大きいが、筆者は消費増税の影響が大きかったと考えている。

 14年4月の増税後も、景気停滞が長引いたが、増税の影響は軽微といって予想を外したエコノミストはそのことに沈黙せざるを得ない状態だ。

経済対策をまとめたのは
増税の影響を認めたからでは?

 今回の19年10月の増税では、景気減速を予想するエコノミストも少なくなかった。政府としても景気が落ち込む可能性があることを事実上認めて、従来の消費増税対策に加えて、経済対策をまとめ、補正予算を今国会に提出したのではなかったのか。

 今回の消費増税の影響を軽微、一時的ということで、黒田総裁は昨年10-12月期のマイナス成長を台風被害のためと説明したのだろうが、過去の“失敗”に学んでいない。

 それだけでなく、台風のせいにしたことで、日本が災害大国のようなメッセージを世界に発することになった。観光立国を目指しているなかで不適切は発言だと筆者は考える。

 消費増税の景気への影響についても、国会でもっと議論されるべきだ。

(嘉悦大学教授 高橋洋一)