電通vs博報堂。ヤマト運輸vs佐川急便。アップルvsアマゾンetc.
有名企業の決算書を徹底分析! 「儲かっている」のはどっちだ?
本連載は、誰もが知っている有名企業の決算書を対比させることで、「仕事に効く会計知識」と「経営分析の基本」を一気に学ぶものだ。著者は、「監査法人」「証券会社」「ベンチャー企業」「会計コンサル」、4つの立場で「会計」に携わった経験を持つ川口宏之氏。発売4日で重版が決まった『経営や会計のことはよくわかりませんが、儲かっている会社を教えてください!』の著者でもある。

経営者が知っておくべき「財務3表のつながり」とは? 図で解説!Photo: Adobe Stock

財務3表の基本から説明

 「財務諸表」「財務3表」という言葉は知っていても、何を指すのかがわからない方もいるかもしれません。下記の図を見てください。

経営者が知っておくべき「財務3表のつながり」とは? 図で解説!

 財務諸表とは、「会社の経済活動を記録・集計したもの」と定義することができます。財務諸表には、「諸表」の文字が示すようにさまざまな書類が含まれています。その書類の中でも、貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書の3つが最も重要なもので、これらを合わせて「財務3表」といいます。まず、財務3表の基本から説明します。

 貸借対照表は、会社の決算日(期末)時点の財政状態を表したものです。

 例えば、毎年3月31日が決算日の会社であれば、3月31日時点での会社が持っている財産や負っている借金等の一覧となります。

 損益計算書は、1年間の経営成績を表したものです。

 すなわち、4月1日から翌3月31日までに売上はどのくらいあって、費用はどのくらいかかって、結果として利益をいくら稼いだかを記しています。

 キャッシュ・フロー計算書は、1年間のキャッシュ・フローの状況を表したものです。

 すなわち、1年間でキャッシュがどのくらい増えたのか(あるいは減ったのか)を3つの要因別に記しています。

 これら財務3表はバラバラに存在しているようで、実は密接につながっているのです。この財務3表の「つながり」を説明します。