電通vs博報堂。ヤマト運輸vs佐川急便。アップルvsアマゾンetc.
有名企業の決算書を徹底分析! 「儲かっている」のはどっちだ?
本連載は、誰もが知っている有名企業の決算書を対比させることで、「仕事に効く会計知識」と「経営分析の基本」を一気に学ぶものだ。著者は、「監査法人」「証券会社」「ベンチャー企業」「会計コンサル」、4つの立場で「会計」に携わった経験を持つ川口宏之氏。発売4日で重版が決まった『経営や会計のことはよくわかりませんが、儲かっている会社を教えてください!』の著者でもある。

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低迷するビール市場。これからどうなる?

 少子高齢化や若者のビール離れ、消費者の健康志向などに伴って、ビールの国内市場は低迷しています。大手のビール類の課税出荷数量は14年連続で前年割れというありさまです。

 成熟産業ともいえるビール業界の二大巨頭、アサヒグループホールディングスとキリンホールディングスを比較します。まず、下記の画像(決算書データ)を見てください。

 本日は、企業の隠れたブランド力を表す指標「のれん」を使います。「のれん」については、前回記事でご説明しました。

参考記事:会計の「のれん」をスラスラ説明できますか? 図解で解説!

 競争が激しく、業界内の再編が活発なビール業界であるため、儲けを生み出すために実施したM&Aの爪痕である「のれん」の金額は重要な意味を持ちます。

【のれん】
アサヒグループホールディングス 7050億8700万円
キリンホールディングス  2442億2200万円

 2社ののれんを比べると、圧倒的にアサヒグループホールディングスのほうが多額です。なんとその差は約3倍です。

 そもそも資産規模としても、アサヒグループホールディングスのほうがキリンホールディングスよりも大きいので、のれんの金額が大きいのは必然ともいえます。しかし、資産総額は3兆円と2兆3000億円ですので、単に「資産規模が大きいから」という理由だけでは片づけられません。