米国で起業するのに語学やビザの壁を越えるのは大前提

朝倉:海外駐在員の世界ではよく、「駐在員同士でばかりつるんで……」とネガティブな文脈で言われることがありますが、起業家の世界を見ていると、中国人や台湾人、インド人、韓国人など、それぞれ各国の同郷コミュニティの絆は非常に強いですからね。そこで得る知見やネットワークを活かすという意味では、ある種、「華僑」のようなものかもしれません。独立して事業を行っていく人にとっては、同業人や何かしらの共通点がある人と繋がっていくことは非常に重要だと思います。

小林:そう思います。よく、「米国で起業するには英語で困る」といった声や、「ビザが取れない」といった声を聞きますが、僕の体感では、米国で起業をするにあたって大変な順番は、「英語、ビザ、人の繋がり」、そして最後に、「事業」だと感じています。英語やビザの問題を超えられない人は、そもそも現地での人の繋がりなどをつくるのは難しいでしょうし、事業を成功させることも難しいでしょう。

朝倉:「米国で事業を成功させよう」と本気で取り組んでいれば、英語やビザの壁は超えられるものであるはずですよね。

小林:英語を学ぶのであれば、努力すればいいですし、同様に、ビザもなんとかすれば取れるものです。人の繋がりや事業は、それらを超えた上で初めて得られるものだと思います。