習近平
写真:新華社/アフロ

習近平も認識している
政権発足以来最大の統治危機

「今回の新型コロナウイルス感染症は、新中国成立以来我が国で発生した中で、感染速度が最も速く、感染範囲が最も広く、予防や対処の難易度が最も高い、重大な突発的公共衛生事件である。我々にとって、それは危機であり、大きな試練でもある」

 2月23日、習近平総書記(以下敬称略)が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)予防対策及び経済社会の発展に関する会議でこう指摘した。

 筆者からみても、習近平がここまで突っ込んだ発言をするのは稀であり、「総書記自身、2012年の政権発足以来最大の統治危機に直面しているという認識を持っている」(中華人民共和国応急管理部局長級幹部)証拠と言えよう。

 習近平自身がこの日の談話で紹介しているように、1月7日に開かれた中央政治局の会議で感染症への対策を指示して以降、湖北省や武漢市を中心に全国各地の関連部門が資源を総動員して対策に着手するきっかけとなった指示を1月20日に出し、加えて1月25日の旧正月元旦にも中央政治局常務会議を主催して再び指示を出した。

「その前後に、中央政治局常務委員会会議で3回、中央政治局会議で1回会議を主催し、感染症対策工作や生産労働の再開工作に関する審議を行ってきた」

 習近平はこの期間自らがいかに精力的に動いてきたかを強調するように振り返った。これ以外にも、自らが座長を務める改革、法律、サイバーセキュリティ、外事といった委員会でも対策を審議、部下たちに要求を課してきたという。

「私は四六時中感染症の対策工作を注視している。毎日口頭で指示を出し、批准作業を行っている」

 習近平はこう続けた。

 この日、中央政治局委員、中央書記処書記、国務委員、そして今回の感染症対策を直接指揮するワーキンググループや国務院の関係者以外、基本的にテレビや電話を通じて各部門、各地方の幹部が会議に参加し、習近平の重要談話に聞き入った。参加者の数は合計17万人に上り、中国史上最大のテレビ、電話会議となった。