米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」の注目記事の要点を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は、中国・武漢市発の新型肺炎で、軒並み世界の主要株式市場が混乱する中、唯一堅調な株価を維持している米国株の異様さについて取り上げます。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)
世界経済は大混乱へ
経済のグローバル化も拍車かける
中国湖北省の武漢市から発生し、感染が世界中へと拡大している新型肺炎。本稿執筆の2月4日昼の時点で、中国の感染者数は2万人超、死者は400人を超えています。
業種を問わず、これまで世界中の企業が中国に製造拠点を移してきました。今や製品の製造工程(サプライチェーン)のどこかが、中国の工場に依存していたり、部品や部材を中国からの供給に依存していたりするケースがほとんどでしょう。
新型肺炎の影響で中国の製造工場がストップしてしまえば、中国に依存したサプライチェーンを持つ世界各国の企業の業績が大打撃を被ることは火を見るよりも明らかです。
米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)」では、以下の記事で世界の株式市場の動きについて触れています。
●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>>「新型ウイルス、米株式市場に過信はないか」
「人から人への感染が確認された1月20日以降、ETF(上場投資信託)のiシェアーズMSCIチャイナは11%下落。米航空セクターは7%、国際石油取引の指標油種であるブレント原油先物は13%それぞれ下落した。中国への依存度が高い台湾や韓国の株式相場はそれぞれドル建てで6%と9%落ち込んだ」
しかし、米国の株式市場に関しては、各国の株価下落の流れとは少し違いました。
「米国の主要株価指数であるS&P500種指数の下げは3%にとどまっている」のです。