「とにかく合格したい!」「成績を上げたい!」と目標を持って勉強に励んでいても、こんな悩みにぶつかるでしょう。「続かない!」。どんなにいいやり方を手に入れたとしても、続かなければ意味がありません。勉強とは「すべり台」です。勉強ができる人は階段をささっと駆け上がって、一気にすべるイメージを持っています。それが「学びの自動化」です。すべり台に「すべって楽しむおもしろさ」と「勝手に進むラクラク」があるように、勉強も始めたら止まらなくなるのです。
『偏差値95の勉強法 頭のいい人が知っている「学びを自動化する技術」』には、「没頭力(自らのめり込む)」「論理力(文脈で考えられる)」「記憶力(つながりで覚えられる)」が同時に手に入る勉強法を収録。さらに「没頭力」を発揮することで、「最短で結果が出る」「1日が27時間になる」「努力を努力と思わなくなる」のです。勉強にハマる要素は、たくさんあります。学びの楽しさを実感し、目標を達成できる勉強法を手に入れてください。
脳が興奮状態となり、
知識を吸収できる
人の話を聞いたり、熱中する人のやっているものをやってみたりして、勉強に取り組める人もいるでしょう。なかには、「ちょっとかじったけれど続かない」という人もいるかもしれません。
しかし、そこで「自分はダメだ」と落ち込む必要はありません。一度やったことは、後で必ず活かされるときがきます。
もう一度取り組もうと思ったとき、教材をそろえるところから始める人よりは、はるかにスムーズに勉強を開始することができます。少しでもとっかかりがあれば、ゼロの状態からよりも早く進むことができるのです。
常にゼロからではなく、半歩でも一歩でも進んでおく感覚が勉強にとっては重要です。私は受講生に、「前日に、次の日にやる勉強の教材を並べておきましょう」と指導しています。これも、とっかかりをつくるためです。
勉強は「何をやろうか」と考えることに、集中力をかなり使います。
勉強する教科を英語に決めたとして、何を、何ページ、何時間やるのかを細かく決めているうちに時間が経ち、せっかくのモチベーションが下がってしまうこともあります。
ですから、次の日は起きてやるだけという状況をあらかじめつくるのです。
仕事先や学校から帰って勉強する場合も、出かける前に教材を広げておいて、帰ったらすぐに取りかかれるようにしておくことをおすすめします。
ドイツの精神科医エミール・クレペリンが提唱した「作業興奮」という理論によると、考える時間をつくらずに行動すると、脳のなかでドーパミンという物質が分泌され、その作業に熱中するようになります。
掃除がいい例です。始める前は面倒だと思っていても、いざ始めるとテンションが高まり、すごく細かいところまできれいにしますよね。これも「作業興奮」のなせるわざです。
勉強もとりあえず始めてしまえば、脳が興奮状態となって、どんどんやる気がわき、知識を吸収できるようになります。
私も、やる気がなかなか起きない受講生には、「まずやってみよう。1分間だけでいいからやってみよう」と、よく声をかけています。その1分がウォーミングアップとなり、勉強に没入できるケースも少なくありません。
以上は、日々の短いスパンでの勉強の話ですが、長いスパンでも同じことが言えます。先ほど、「一歩でも半歩でも進んでおく感覚」が大切とお話ししました。
中断してしまった勉強も、買ったけれどやらなかった資格試験の問題集も、次にやるときのためのウォーミングアップとなります。
「やるとき」が1ヵ月後、1年後だとしても、ちょっとでもかじった経験があれば、走り出す準備はできているも同然です。すでにとっかかりがあるので、スムーズに進んでいけるのです。
ずっと走り続けるのはしんどいものです。最後までいかなくても、完璧にできなくても、途中で休憩しても、まったくかまいません。
後ろに戻ったわけでも止まったわけでもなく、すでに踏み出しているわけですから、決してマイナスではない、と私は強く言いたいです。
「ちょっとかじる」ことは、未来に大いに生きてきます。