中国軍の学術機関の研究者が、米ボストン大学の著名物理学者ユージン・スタンレー教授(78)の下で学びたいと志願した際、スタンレー氏は彼女の所属先に不審を抱かなかったと話す。  「私は政治に全く興味がない。私は科学者だ」とスタンレー氏は話す。同氏の幅広い研究には、人工知能(AI)を使って金融市場を解読する方法や、統計物理学を応用した病気の予防策などがある。  この中国人研究者は最近、米国ビザ(査証)申請の際に身分を偽り、中国軍中尉であることを隠していたとして起訴された。この事例は、最先端研究の国際協力に対する米大学の開放性が、潜在的に悪用される可能性があることを浮き彫りにした。