一方、Aさんは新営業所の立ち上げに苦戦を強いられた。Bさんが率いたチームがいい結果を出していることも、悪い方に働いてしまったのかもしれない。

 今まで経験したことのないような最低の成績で終わってしまったのだ。その後、新営業所は他の人が管理することになった。結果が出せなかったのだから仕方がない。

 そして、AさんはBさんの部下となって元の営業所に戻ることになった。

 Aさんは見事に立場をとられてしまった。BさんはAさんより10歳近く年下である。Aさんから見ればBさんは「若造」である。

 その若造に対して「Bさん、書類にハンコをよろしいでしょうか?」とさんづけで、なおかつ敬語でお願いしなくてはならなくなった。まさに「さんくん交代」が起きた瞬間である。

 これまでAさんは部下にさんざんひどい行いをしてきたこともあり、孤立状態になってしまった。さすがに気まずかったのだろう。ほどなくして会社を去っていった。

「自分の立場を奪われる」
という危機感を持つ

 どんな立場になっても油断しない。油断していればあっという間にその立場を奪われてしまうことになる。ビジネスの世界では、それを想定したコミュニケーションを取る必要がある。

「自分の立場を奪われる」という危機感を持つ。これは非常に大切な考え方だ。

 さんくん交代ではないが、私も痛い目に遭ったことがある。