接骨・鍼灸・マッサージの深い闇#4
Illustration by Mari Mitsumi

街中にある「整体」や「リラクセーション」「癒やし」を掲げるマッサージ店は、柔道整復師や「あはき(あん摩マッサージ指圧師・鍼師・灸師)」と異なり無資格だ。健康被害が相次ぐ上に業界団体幹部は過去に逮捕もされ、情報公開にも消極的だ。特集『接骨・鍼灸・マッサージの深い闇』(全6回)の#4は、「無資格マッサージ」の深い闇を浮き彫りにする。

「週刊ダイヤモンド」2019年11月16日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの

実は健康被害が続出する
無資格マッサージ店

 繁華街を歩けば、「整体」や「リラクセーション」「癒やし」といった怪しげな店から全国展開のチェーン店まで、いわゆる“無資格マッサージ店”のネオンが目に飛び込んでくる。

 無資格マッサージ店が乱立した背景は、もともと誰でもすぐに始められるという参入障壁のなさだけではない。1990年代後半に「ラフィネ」などのチェーン店が誕生し、それまでの無資格マッサージ店のイメージを一新したこと。さらに2009年に業界に価格破壊をもたらした「りらくる」が登場したことが、「いまの無資格マッサージ店の乱立につながった」と業界幹部は振り返る。

 だが、そもそも「業」としてマッサージが許された国家資格の「あマ指師」がいるにもかかわらず、堂々と無資格マッサージ店を開業できるのはなぜなのか。その根拠は、60年の厚生省医務局長通知にある。医業類似行為(この場合は無資格マッサージ)の施術が、「医学的に見て健康に危害を与える恐れがない限り、禁止処罰の対象とはしない」とされたのだ。これは裏を返せば、無資格マッサージの施術は、健康被害を加えるような代物ではないことが前提となるはず。だが、現実は大きく異なっている。