手打ちスタイルのレジからバーコード読み取りというレジの機械の進歩はあったが、基本的に、お客がレジまで商品を運び店員が決済業務を済ますというスタイルは変わっていない。レジを何台並べようとも買い物が集中する時間帯には混雑が起こるという現象は避けられなかった。

 コンビニ本部も加盟店も、この「レジの集中化」という現象が悩みの種なのだ。

レジ待ちの列は
品切れと並ぶ「損失の温床」

「3人以上レジを待っている客がいると、商品を買わずに店を出ていく人が少なくない」

 あるコンビニ本部の幹部はこう話すが、まさにレジ待ちの列は品切れによる販売機会の損失と並んで、顧客満足度を低下させる「損失の温床」になっている。

 品切れによる販売機会の損失について「なんだそれ」という方もいらっしゃると思われるが、例えば、お客が買い物に来て、ツナのおにぎりや梅のおにぎりを買いたかったのに品切れしていて、ツナおにぎりも梅おにぎりも買えなかったことを示している。

「そんなこといったって、ツナがなければ、鮭でもこんぶでも買っていくのではないか」という声もあるだろうし「機会損失なんていうのは本部が加盟店から発注を増やすために考えた方便だ」という指摘もある。

 しかし、商品を切らしてばかりいる店に行くモチベーションが働かないのは、消費者の心理だろう。競合店が近くにあれば、そちらに流れていくことは十分に考えられるのだ。

 この販売機会の無形の損失は定量化できない。だから、「そんなこともあるかもな」と軽視されてきた。

 売上高が1兆円超ある某スーパーが、販売機会の損失額を推計したことがある。その時は年間、衣料品や食品を含めて500億円以上だった。実際、品切れしていたために、そこの店で買うのをあきらめたり、ライバルのスーパーに流れたりしたと考えられる。