スニーカーブランド大手のナイキが、アマゾンでの販売を打ち切ることを明らかにした。相次ぐ模造品の流通などに不満が募ったためだというが、この動きは加速するという見方も多い。世界最強ともいわれたアマゾンにほころびが見え始めているのだ。そんなブランドのアマゾン離れの実態や今後の展望を、ファッションビジネスコンサルタントの北村禎宏氏に聞いた。(清談社 沼澤典史)

脱法行為はOK!?
アマゾンの体質

アマゾンの企業体質に疑問の声が出ています。
ナイキに追随するブランドは出るだろうか?カギを握るのは「ビジネス・エシックス」である Photo:AA/JIJI

 GAFAの一角として既存のビジネスモデルを根こそぎ変え始めているアマゾン。ECはもちろん、プライムビデオ、ミュージックなど世界中の人々の生活に密接したサービスを展開中で、もはやなくてはならない存在ともいわれている。

 そんなアマゾンからナイキが撤退すると報道されたのは昨年のこと。アマゾンは巨大なプラットフォームとして、利便性も高く売り上げも見込める販売チャンネルのはずだが、なぜナイキはこのような決断をしたのか。

「ブランドイメージが損なわれるという危機感が大きな要因でしょう。ブランドメーカーは世界でも多くありますが、ナイキはその中でもトップクラス。アマゾン内の模造品の多さなどにより、そのブランドイメージが損なわれていると感じたのでしょう」

 アマゾンではかねて偽物の急増が問題視されてきた。昨年からは偽物の排除を目的としたプログラム「Project Zero」を日本でも開始。商品情報を継続的に自動スキャンすることで偽造品の疑いがある商品を検知するシステムや、ブランドオーナーが偽造品の疑いがある商品をサイト上から削除できる権限を持たせるなどの対策を練っている。しかし、北村氏はこのアマゾンの対応について懐疑的だ。

「きちんと対応していると言いながら、事実上放置に近い状態ではないでしょうか。モール側に直接の法的責任はないですから。ご存じの通り、アマゾンはイギリスでも日本でも法人税を回避しています。“違法行為はしないが脱法行為は否定しない”という遺伝子があるとすれば、真剣に取り締まっているかどうか、大きな疑問が残ります」