まず、方方さんが決まって深夜0時前後に投稿すること。

 そしてもう1つの理由は、投稿の多くが、翌朝には中国の政府当局によって削除されてしまうからだ。

 彼女のブログがなぜ、それほど注目されるのか。それはどんな「官製メディア」を見るよりも、現在の武漢や市民の生活の様子が手に取るようにわかるからだ。

 1月23日に武漢が封鎖されてから、彼女は毎日1本の日記を書き始めて、SNSのウィーチャットや微博(中国版ツイッター)に投稿を始めた。今現在まで36篇で合計約6万字以上の「方方日記」を投稿してきた。

 その内容は多岐にわたる。

 武漢が封鎖された後の市民の様子、武漢市民の日常のささいなこと、病院関係者の友人からの情報や自身の考え、政府への助言などなど…。特に、最初に感染がどんどん拡大していく中で、多くの人がどうしたらいいのかパニック状態に陥ったときには、投稿を通じて助けを求めた。

 読者は雪だるま式に増え、現在その数は「億単位」と推測されている。1月末ごろから、武漢をはじめ中国全土と海外在住の多くの中国人が、「彼女の日記を読まなければ、寝られない」という状態である。

中国の政府当局から
何度削除されても書き続ける理由

 彼女は政府に対しても物怖じせずに発言する。このため、政府を支持する人からの脅迫や恫喝も多く、中国の政府当局からは何度も投稿を削除されている。

 そのうち彼女のアカウントも閉鎖される羽目になった。今はアメリカ在住の友人のアカウントを借りて発信し続けているが、その日の内容次第では、即削除されることが現在も続いている。それでも負けずに書き続け、毎晩0時前後に投稿している。

 そのため、彼女は「21世紀の魯迅」「マスコミ界の英雄」「女性の中の豪傑」「中国の文芸界において最も勇敢な人」などと称賛され、支持されている。

 一体、彼女は、どんな人物なのだろうか。