事実上、野党系無所属現職の森本真治氏(46)=現・国民民主党=と三つ巴の選挙戦となり、溝手氏が落選した。この選挙戦は色々と曰く付きなのだが、そこは後述させていただく。

 新聞やテレビは「連座制」の行方について連日論じているので、その点についてまず言及したい。

 連座制とは、簡単に言えば候補者の関係者が選挙違反をした場合、直接には違反をしていない候補者の当選無効や立候補の制限など連帯責任を課す制度だ。

 先進国では当たり前の制度で、国によって異なるが、日本では公選法251条2~4に規定されており、総括責任者や出納責任者、地域主宰者、候補者の親族らが悪質な違反をした場合に適用される。

 公選法は1950年の施行時から連座制を導入していたが、80~90年代にリクルート事件や佐川急便事件など「政治とカネ」を巡る事件が相次ぎ、政治腐敗防止策として94年の同法改正で組織的選挙運動管理者や秘書も対象となった。

 96年には衆院選宮城6区で当選した菊池福治郎氏が秘書の長男による違反で連座制に問われ議員辞職し、その後、引退した。

 2003年には衆院選宮城1区と2区で民主党の今野東氏と鎌田さゆり氏がいずれも後援会幹部の違反で議員辞職に追い込まれ、永田町では「仙台ダブルプレー」と揶揄(やゆ)された。

 記憶に新しいところでは、12年衆院選の鹿児島2区の医療法人「徳洲会」グループを巡る徳田毅氏だろうか。東京地検特捜部の起訴を受け、徳田氏は失職前に辞任した。

「前法相の首も寒い」との噂(うわさ)

 今回のケースはどうだろう。

 全国紙社会部デスクによると、立道容疑者が秘書になったのは参院選後だが、選挙戦も街頭演説の予定やアナウンス運動員らの活動を取り仕切っていた。

 総括責任者や出納責任者などの肩書を持っていなくても「陣営に所属し、現場リーダーとして街頭演説の計画などを立案した」として、組織的選挙運動管理者と認定した判例があり、十分に該当する可能性がある。

 高谷容疑者は案里氏ではなく克行氏の秘書だが、同デスクによると実際に選挙戦を仕切ったのは克行氏とされる。