国際生入試は668(+105)人、一般入試は1633(+423)人と、総出願者数が激増したかえつ有明(東京・江東区) 写真提供:かえつ有明中・高等学校

近年まれな激戦だった2020年の首都圏中学受験。各校の入試担当者による生々しい証言も交えながら、数回にわたって振り返ってみたい。(ダイヤモンド・セレクト編集部)

短期決戦志向のハードな受験状況

 2020年の首都圏中学入試は志願者も増加し、受験生にとってはたいへん厳しいものだった。多くの学校が、今年の入試は「非常に高いレベルでの選抜となった」と口をそろえる。例年と入試問題の難易度に変化はなくても、受験者の平均点が上がったことで、合格者最低点がかなりかさ上げされている。

 例えば吉祥女子では、激戦だった2月2日の第2回入試で東京女子ご三家や国立附属校の上位生に加えて、入試日を3日にずらした青山学院の志願者も受験、合格最低点253点は340点満点の74.4%と驚異的な高水準となっている(1日の第1回は同67.6%)。

 中位校でも、受験生の併願先や受験生平均点の上昇を見て、「全体的に受験生のレベルが上昇している印象です」(八王子学園八王子)と言うように、今年の大学入試でも見られた受験生の安全志向に伴う中堅・中位校の難度上昇が中学受験でもうかがえた。

 合格者の入学手続き率も高く、例えば品川女子学院の2月4日入試では97%とほぼ全入状態になったほどである。

 このことは2020年入試のもう一つの顕著な特徴である「短期決戦」志向の反映でもある。東京・神奈川でいえば、2月1日と2日の入試で何とか合格を得たいという気持ちが親子ともに高まり、3日や4日の受験ではわらにもすがる状況になっていたことがうかがえる。

 その背景には、同日で午前・午後の2校受験が当たり前になっていることが挙げられる。難関・上位校の午前入試は4科が普通で、終了後に学校を出ると13時頃になるが、それから14時や15時頃に設定されている午後入試に臨むことになる。算数1科の1日午後入試が大人気だった巣鴨と世田谷学園には男子難関・上位校受験生が殺到している。

 短期決戦志向も極まったエピソードが出ている。 「(午後入試の)試験終了後に、他の学校に向かわれた受験生の姿もありました」。なんと、トリプル受験である。まだ小学生である受験生への負担は大きく、時間に間に合わせるためタクシ-を利用、中には車に酔っている生徒も見受けられたという報告もあった。

 「あくまで主観ですが、1日目から3日目にかけて、字の丁寧な答案が少なくなっていくような気がしました。小学生にとって、午前、午後と続く3日間の受験は負担が大きいのだと思いました」と指摘する先生もいる。
 
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