アップルがついに新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の深刻さについて的確なメッセージを発信した。賛辞を贈りたい。しかし、ウォール街はまだそのメッセージを全面的に受け入れていないようだ。アップルは週末、中華圏以外の全直営店を一時閉鎖すると発表した。中国でのウイルス拡散を受け、同社は2月初旬に同国の店舗を一時閉鎖したが、今は全て再開している。同社のティム・クック最高経営責任者(CEO)は会社のウェブサイトで、今回の閉鎖を少なくとも27日まで続ける方針を明らかにしたが、時給労働者は全員「通常の営業時と同じように」賃金が支払われると述べた。アップル株は16日の市場で13%急落し、相場全体の流れに同調した。同社の小売店が売上高全体に占める割合はかなり小さい。同社は2014年度末に小売店の業績内訳の公表をやめている。同年度、アップルの売上高全体に占める小売店の割合は12%と、「iPhone(アイフォーン)」の通期売上高を初計上した08年度の19%から大幅に低下した。現在は売上高全体にサービス収入が占める割合が高まっているため、その比率はさらに低下している可能性が高い。
アップル店舗閉鎖の警鐘、ウォール街には届かず
アナリストはダメージが短気的なものにとどまると楽観視
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