中国駐在の米外交官が大量帰国したことで、米政府の中国におけるプレゼンスは低下している。この事態は緊張が高まる状況下で超大国間の相互関係をさらに疎遠にし、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)抑止のための取り組みを阻害している。米外交官とその家族の大量帰国は、コロナウイルスの爆発的感染を受けて2月初めに始まった。それは、平和時の米外交官の脱出劇としては、史上最大級のものとなった。パンデミックの出発点となった武漢市に置かれた米総領事館は、1月末に閉鎖された。状況を知る人々によれば、瀋陽、上海、成都、広州の公使館、領事館の人員は、通常の20~30%に削減された。スタッフの大半は地元の中国人だ。今もこうした施設に残っているのは、必要不可欠な業務の遂行や、緊急時のサービス提供にかかわる者だけだという。