『マンガ サ道』の著者・タナカカツキさん、『サウナー・ブック』の著者でプロサウナーの松尾大さん、『医者が教えるサウナの教科書』著者の医師・加藤容崇さんの3名によるサウナ対談が、某日、スカイスパYOKOHAMAで行われた。
 空前のサウナブームを牽引してきた豪華メンバーが、それぞれの体験を元に、サウナへの深い愛を語る。
(写真 明日陽樹 構成 井上敬子)
<前篇はこちら>

――前回の鼎談では、サウナ室、水風呂についてお話いただきました。本日は、その後の外気浴について。

タナカカツキ(以下、タナカ) 僕、水風呂の水気をふいてから外気浴するんですが、そのほうがいいんですか?

加藤容崇(以下、加藤) 水気をふくと、体が冷えにくくなりますね。外気浴でととのうためには「気持ちいい」を追求したほうがいいので、自分が快適に感じられるのが一番、重要です。

松尾大(以下、松尾) 僕は、夏か冬かで、体の水分をどのくらい残すかを変えています。夏はちょっと残すようにして、体を冷やし気味にし、冬はちゃんとふいて体を冷えにくくします。

タナカ その時に、風があるかどうかも大事ですね。

松尾 そのあたりも計算にいれて、自分で、いろいろ変えてみて、ととのいやすい方法を見つけるのも楽しいですよね。

タナカ 外気浴の時って、やっぱりちょっと座ったり寝転がったりしたいですよね。でも、そのようなスペースが設けられてない施設も多いですよね?

加藤 医学的にも、落ち着いた方がいいのは確かです。血圧は、サウナ室で少し下がり、水風呂に入って急上昇する。血圧が乱高下した後だから、早いうちにどこかに座るか横になって休んだ方がいいです。

タナカ 交感神経や副交感神経など、自律神経はどう変化しますか?

加藤 サウナに最初入った瞬間は、副交感神経が上がるんです、「あったかくて気持ちいい~」となるから。その後、次第に熱くなってくると、交感神経優位になります。さらに、水風呂でも交換神経優位で、外気浴ではじめてバーンと副交感神経にふれる。ただ、時間差があって、副交感神経優位になった後も、アドレナリンなどの脳内物質は、2分間くらい出続けている。この2分間が、脳がやけに覚醒しているけど、リラックスしている状態。これが「ととのう」ということなんです。

松尾 確かに、2分間くらいの体感ですね。それをすぎると、リラックスはしてるけど、ちょっとダラっとしてくる。

タナカ ととのってる時って、眠くはないけどなんか落ち着いてますよね。風に敏感になったり、なんかキラキラする感覚がちょっとあったり。

加藤 感覚が鋭敏になりますよね。ネオンが明るく感じたり、室外機の音が気になったり。

タナカ それは、血流のせいですか?

加藤 血流というより、脳科学的な変化ですね。人間って、脳が疲れててくると脳派の周波数が低くなってくるんです。認知症や鬱なんかも周波数が低くなる。その周波数を戻す方法って、実は「刺激」を与えることなんです。うつ病に一番、劇的な効果があると言われているのは、実は、「ECT(電気けいれん療法)」という電気ショックを与える方法です。サウナで刺激を与えることによって、周波数が元に戻り、疲れていた脳の機能が正常化するんじゃないかと。敏感になったというより、疲れて落ちていた本来の機能が復活したと考えられるんじゃないでしょうか。

タナカ サウナ後に食べるサウナ飯がうまく感じられるのも、味覚が正常に戻るからですかね? 味覚が正常な時って本来だと朝起きてすぐですか?

加藤 時間はあまり関係ないと思いますが、日中、疲労が溜まってくるとだんだん味覚が鈍感になってくるとは思います。朝は敏感だから、塩辛いものとか、あまり食べたくないですよね。

タナカ 朝のほうがコーヒーが香り高く感じられたりもしますよね。サウナに入ると、そういった朝の感覚に戻るような気がするんです。

松尾 サウナに入ると、1日に朝が2回来る! 得だね! 楽しさが倍増しますね。

タナカ 午前中調子よく仕事してて、昼になると疲れて何も思いつかなくなって、それでサウナに入ってととのうと、また思いついて。

© Katsuki Tanaka/KODANSHA2020

加藤 外気浴中に思いついて、また水風呂で忘れて。

松尾 そう、水風呂においてきちゃうんですよね。