経典にも出てくるサウナ(温室)

タナカ 興味深いのが、「仏説温室洗浴衆僧経」というお経の中に、仏陀が温室(うんしつ・蒸し風呂のこと)に入る話がでてくるんです。で、そのお経では、「サウナに入りなさい。サウナには7つの道具を持って入り、7つの病を取り除き、7つの徳を得られる」というようなことが書かれている。「みんな、ちゃんとサウナに入るようにね」というメッセージなんです。

松尾 なんと! 我々の本と同じメッセージじゃないですか!

タナカ そのお経に出てくる、持っていくべき7つの道具っていうのが、現代でいえば、タオル、石鹸、はぶらし…など、今の健康ランドにおいてあるグッズとほぼ一緒。そして、7つの効果というのも、痛みや冷えが治ったり、口臭が取れるなどに加えて、最後に書いてあるのが、「体が軽くなり、目がはっきりする」と。お経を読んで目が疲れたのが回復するんでしょうね。

加藤 現代人は、お経から、スマホになっただけですね。

【タナカカツキ×松尾大×加藤容崇】後編<br />仏陀もサウナでととのっていた?<br />サウナの真髄、外気浴とは?

松尾 変わらないですね。人間って。

タナカ 仏陀は「沐浴」後に、菩提樹の下で悟りをひらいていますよね。これも、もしかすると、「外気浴」中に悟りに達したんじゃないかとも考えられますよね。修行にも「水行」を勧めていますしね。インドが暑いことを考えると…

加藤 水風呂からの外気浴……ですね!

一同 おお、すごい話ですね!

【タナカカツキ×松尾大×加藤容崇】後編<br />仏陀もサウナでととのっていた?<br />サウナの真髄、外気浴とは?
タナカカツキ
マンガ家・サウナ大使。1985年大学在学中にマンガ家としてデビュー。著書に「オッス!トン子ちゃん」、天久聖一との共著「バカドリル」などがある。アーティストとして幅広いジャンルで活躍、カプセルトイ「コップのフチ子」の企画原案でも知られる。サウナを題材にした近作「マンガ サ道」は、ドラマ化もされ、大ブームに。
【タナカカツキ×松尾大×加藤容崇】後編<br />仏陀もサウナでととのっていた?<br />サウナの真髄、外気浴とは?
松尾 大
福祉施設やフィットネスクラブ等を経営する実業家にしてプロサウナー。多くの経営者や著名人を「ととのい」に導いてきたことから「ととのえ親方」と呼ばれるように。2017年にはプロサウナーの専門ブランド「TTNE PRO SAUNNER」を立ち上げた。近著にサウナの楽しさ・効果を余すところなく伝えた「サウナー・ブック」がある。
【タナカカツキ×松尾大×加藤容崇】後編<br />仏陀もサウナでととのっていた?<br />サウナの真髄、外気浴とは?
加藤容崇
慶應義塾大学医学部腫瘍センター特任助教・日本サウナ学会代表理事。北海道大学医学部医学科・同大学院卒。専門はすい臓がんを中心にした癌全般と神経変性疾患の病理診断。病理学、生理学にも詳しく、サウナをはじめとする世界中の健康習慣を最新の科学で解析することを第二の専門としている。著書に「医者が教えるサウナの教科書」がある。