スティグリッツとクルーグマンも登場!
ノーベル経済学賞受賞者をいじり倒す!
――ノーベル経済学賞受賞者のジョセフ・スティグリッツやポール・クルーグマンには、何度かインタビューしたことがありますが、本には彼らも登場しますね。
ええ、2人ともばっちり登場します(注:スティグリッツはミクロ編に、クルーグマンはマクロ編に登場)。彼らがどういう理由で受賞したかを本でおもしろく説明しています。スティグリッツが実際に言った有名な言葉があって……。
――「見えざる手」(invisible hand)についてですね。
そのとおり。彼は<「見えざる手」は、そこに手がないから見えない>と言ったのです。それも本で紹介しています。
――クルーグマンはどうでしょう。
クルーグマンは30年ほど前におもしろい記事を書きました。彼がノーベル賞を受賞した理由は貿易論ですが、一方で彼はSFの大ファンでもあります。それで30年ほど前に、国家間ではなく、星間の貿易、つまり他の惑星のエイリアンとの間で行われる貿易について記事を書いたのです。ですから私も、マクロの本の中にエイリアンとの貿易について書いたというわけです(注:マクロ編第8章「古典派の経済観」)。
あ、でも一般の人は、クルーグマンはNYタイムズにコラムを書いているからノーベル賞を受賞したと思っています(笑)。
――確かクルーグマンはNYタイムズのコラムにもエイリアンのことを書きましたね。
毎年1月に全米経済協会(American Economic Association)が主催する会合がありますが、クルーグマンはそこでエイリアンについての論文をプレゼンしました。クルーグマンはすばらしい書き手です。経済学者というと普通はおもしろくない人がほとんどですが、クルーグマンのようにおもしろい人もいます。