米国の大手銀は株主への配当金支払い継続を容認される公算が大きい。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大で不良債権が膨らみ、いずれ貸し手の重荷となる脅威が懸念されている。米国の元規制当局者の間では、失業者急増や事業混乱が2008年の金融危機を上回る規模となる恐れもある中、大手銀の資本保全のため、連邦準備制度理事会(FRB)が配当支払い停止を命じるべきだとの声が出ている。ジャネット・イエレン前FRB議長は「状況が改善すれば、銀行は後から利益を配分できる」とし、「もしそうでなければ、経済の信用需要を支えるために必要な緩衝材にできる」と述べていた。欧州中央銀行(ECB)と英イングランド銀行(中央銀行)はここ1週間、資本を減らして株主へ配当を支払うのを止めるよう銀行に勧告しており、米国でもFRBがこれに追随するかどうか注目されている。