消費税率の引き下げは
絶対に行いたくないということ

 なんとなく消費税を税率10%から5%に引き下げるような対策してくれるかのように見えるが、当然のことながらそんなことはない(なお、この事項に関する記載は、政府の緊急経済対策からはなくなっている。念のため指摘しておく)。

 その心は、

 第一に、消費税率の引き下げは絶対に行いたくないということ。だからこそ「消費税5%減税分に相当」なのである。

 第二に、現金は出したくないとうこと。「~を中心に」と書かれるとなんとなく現金や助成金が大部分を占めるように見えるが、その配分は書かれていない。額の多寡に関わらず「中心」と位置付ければいいわけであって、現金給付等がポイントやクーポンに係る予算よりも多額になるとは限らない(というかおそらくそうならない)。

 第三に、ポイントをインセンティブにしてキャッシュレス決済インフラを普及させたいということ。消費税増税キャッシュレスポイント還元が単なる愚策であり、キャッシュレス決済インフラの普及は、特に中小零細事業者にとっては負担にしかならないことについては、拙稿『消費税増税のポイント還元は「どうしようもない愚策」と断言できる理由』で解説しているので、ここでは詳しくは書かないが、要するに、「新型コロナショック」という惨事に便乗し、ドサクサに紛れてキャッシュレス決済インフラ事業者のビジネスを伸長させよう、ということであろう(しかも、どうやら世耕前経産大臣はこのことが日本経済にとっていいことだと本気で信じているようなので、タチが悪い)。

「危機感の徹底した欠如の表れ」
としか言いようがない

 外出、外食を自粛しようが、在宅勤務になろうがどうしようが、人は食べていかなければ生きていくことはできないし、生活必需品は使うことになるから、当然それらの物資を購入しなければならない。

 自粛したからといって、在宅勤務になったからといって、消費が完全に止まるわけではない。そして消費には、食糧や生活必需品の購入には消費税がかかる。

 収入が減って、場合によってはなくなって、一時凌ぎの助成金や給付金はあったとしても、家計が苦しくなっている中で、さらに消費税とは二重苦である。

 しかし、消費税を減税すれば、その分負担が軽くなるばかりか、これまで消費税として支払っていたお金が手元に残ることになるので、別の支出に回すことが可能となる。

 従って、本来必要不可欠なのは、減税に相当する給付措置ではなく、消費税減税のはずなのであるが、この対策の検討に引き続き行われた自民党税制調査会では、消費税減税は一蹴されたようだ。

「国難」にあっても、国民に重くのしかかる消費税を減税しないとは、本当に「命を守り、生活を守る」気はあるのだろうか?

 そして、目前の状況への対応、しかも大規模な対策を考え、実施していかなければならない時に、新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、新型コロナショックも落ち着き、出口が見えた段階の施策を考えるという、極めて楽観的な反転攻勢期。

 そこに列挙された施策には呆れ返る。

 マイナポイントにキャッスレスの推進・拡充、旅行代金の割引助成、商店街活性化事業に観光・消費の国民的キャンペーンだそうな。