「ルーズヴェルト」の戦時の乗員は、艦自体の要員が3270人、航空要員が2480人、空母打撃群(空母1隻と護衛用の巡洋艦、駆逐艦3隻、潜水艦1隻などからなる)の司令部要員が約70人で計5800人以上、ダイヤモンド・プリンセスの1.5倍の人数が乗ることになる。

 空母は飛行甲板の下は格納庫になっていて70機以上を搭載できる。艦内のスペースは巨大な格納庫や弾薬庫、航空機整備場、予備部品倉庫などに取られるから、乗員の大部分は2段ベッドで眠る。

 ビュッフェ式の食堂は混雑するし、通路や階段の幅も狭く、戦闘指揮所も人が多い。最近、米国政府が感染防止の基準としている「他人との間隔1.8m」は実行不可能だ。感染者が出ると隔離する場所も少ない。

 横須賀を母港とする原子力空母「ロナルド・レーガン」(10万3600t)も「ルーズヴェルト」とほぼ同型だ。

 昨年11月から横須賀で定期点検・整備に入っているが、60日間の在外米軍の移動禁止が5月24日に解けるなら、整備を終了した「レーガン」が出港する可能性は高い。

 整備期間中に乗員が休暇を取って故郷に帰ることは少なくないから、整備終了の前には相当数の乗員が米国から日本に戻ることも考えられる。

 日本政府は米国人の入国を禁止しているが、米軍人には出入国に関する日本の法令の適用が除外されている。米軍が検疫に努めても、発症していない感染者が検査に漏れて基地の外に出る可能性は否定できない。

 もし1人でも軽症の感染者が日本を母港としている空母や巡洋艦、駆逐艦などに乗れば、「ルーズヴェルト」の二の舞になり、大量の艦内感染、緊急入港、上陸も起こりうる。

 またグアムのアプラ港を母港としている第15潜水隊の4隻の原子力潜水艦も、横須賀、佐世保、沖縄のホワイトビーチに寄港することがある。

 これらロサンゼルス級潜水艦は全長109mで水上艦より小型だ。乗員143人は日本政府が国民に避けるよう呼びかけている「3密」(密閉、密集、密接)の極致のような環境で生活するから、コロナウイルスに侵されやすいと考えられる。