小麦粉、米といった主食の販売が好調
スパゲティーは昨年対比で240%の販売

 過熱する消費行動は、小売店の販売データにくっきりと表れている。

 調査会社・インテージによれば、3月23~29日の、乾麺や小麦粉、米といった主食の売り上げは前年比150%と売れに売れている(金額ベース)。「自粛ムードが高まって以降、腹に溜まるものが特に売れる傾向にある」(インテージ担当者)。

 中でも“人気”はスパゲティーの麺で、前年比240%(同)。一般的なスパゲティーの麺の賞味期限は3年程度で、コロナ流行の長期化への不安が影響していそうだ。

「売れすぎて、営業現場は大混乱。会社としてどれくらい売れたか把握さえできていない状況」との声が食品メーカーからは漏れ聞こえる。

学校休校の「おやつ需要」ではちみつが好調
余波はホットケーキミックスやバターにも

 こうした主食の売り上げ増に加え、コロナ騒動下で爆売れしている意外な食品がある。それが「はちみつ」だ。

 はちみつは3月9~15日には前年比270%(金額ベース、インテージ調べ)と爆発的に売れ、その後も同150%前後で推移を続けている。通信販売大手の山田養蜂場でも、3月の出荷量は「クリームマヌカ蜂蜜」が前年同月比500%と驚異的な数字を叩き出した。

 はちみつ爆売れの背景には、大きく2つの要素がある。一つ目が「おやつ需要」だ。2月27日の全国の小中高校に休校要請が出て以降、はちみつの売り上げが伸び始めたのだ。

 はちみつの他にも「スイーツやケーキを作るために材料を求める主婦が増えている。生クリームやバター、ホットケーキミックスなども好調」(スーパー店員)と明かす。

 ホットケーキミックスを発売している永谷園によれば、「近年、ホットケーキミックスは前年割れが続いていたが、3月以降の売れ行きが良くなった。金額ベースで、昨年対比2桁増の伸び」(担当者)と思わぬ恩恵を受けている。

 突然の休校や在宅ワークの増加が、家庭でおやつを作ろうという消費行動を生んでいるようだ。